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法律コラム

2022年12月

音楽はお好きですか?

今回は仕事を離れて趣味の話を。
タイトルからしてバレバレですが、私は音楽を聴くことがとても好きです。
若いころは、その時々の流行りのものを聴いていましたが、30歳を過ぎたころからJAZZを熱心に聴くようになりました。きっかけは割とはっきりしていて、村上春樹さんが書かれた「Portrait In Jazz」という本です。この本は和田誠さんの挿絵(ミュージシャンのポートレイト)に村上さんが、そのミュージシャンにまつわる文書を添えるといった趣向のもので、最初に読んだのはまだ結婚する前でした。それから何度も繰り返し読んで、私は「音楽を聴くということは、こんなにいろんな感情を味わうことのできることなんだ」という新鮮な驚きを感じました。その片鱗でも味わいたいと思うようになりました。それである時意を決してガイドブックを手ががりに、手当たり次第にJAZZのCDを買い漁っては聴くようになりました。
不慣れなジャンルの音楽なので、最初は全く良さが分かりませんでした。一体、何をしているのか、どこがすばらしいのか、最初はほとんど何も理解できませんでした。でも、しつこく聞き続けるうち、少しずつその魅力が分かるようになっていきました。そして気がつくと夢中になっていました。
ただ、村上さんが感じておられるほどには、鮮やかな感動を味わったり、多くのことを感じたりすることは、(まだ)できずにいます。それは、感受性や鑑賞力の問題であって、それだけものが自分には(少なくとも現時点では)備わっていないのだと理解しています。
それでも、JAZZを一生懸命聴くようになって、それまでとは異なる気持ちを味わうことができるようになり、それによって人生が豊かになったと感じています。単純に、格好良いなとか、すごく綺麗だなとか、気持ちよく演奏してるなとか、分かりやすい印象を抱くこともあれば、ときに言葉では上手く説明できない思いになることもあります。それは、あえて言うなら、困難ではあるが前向きに頑張ろうというような励ましのようなものであったり、「それで良いのだ」という他者からの承認(による安堵)のようなものです。歌詞があれば言葉に託していけるのですが、JAZZはボーカル抜きの器楽のものが多いのに、それでも実に色んなことを感じさせてくれます。ときに感情を揺さぶられます。すごいことだなと思います。
また、そうした体験を通じて、私は、簡単に評価を決めてしまわないことの大切さにも改めて気づかされました。そして、何かを評価することは、同時に、自らの力量をもあからさまにしてしまうことなのだということも。「こんなもの、つまらない」「あんな考え方はくだらない」と言うことは、もしかしたら、そのすばらしさや妥当性を理解できるだけの素養や能力を欠くことを、対外的に露呈しているに過ぎないのかも知れない。
JAZZが好きになると音楽全般に敬意や興味を抱くようになり、結構いろんなジャンルの音楽を聴いてみましたが、何故かJAZZほど夢中になれずにいます。きっと相性があるんですね。