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法律コラム

2024年03月

先月と同じような話ですが。

前回のコラムをアップしてから、妻と一緒に女性ミュージシャンの弾き語りライブに行きました。その方(彼女)は、私がまだ資格試験を受けていた20代初めころにデビューし、一時、京都のFM局で番組を持っていました。話が面白く一生懸命聴いていましたが、番組が終了してからは、たまにCDを見かけたら借りたり買ったりする程度で、それほど熱心なファンといったわけでもありませんでした。それより妻の方が彼女のことを気に入っており、折に触れてはCDを聴いていました。
そうして実に30年近くが経過し、色々な事情が重なって彼女のライブを見ることになりました。50人も入れば一杯になるくらいの狭い場所で、満席になっていました。それなりに年配のお客さんが多いようでした。
ステージに姿を見せると彼女は30年分しっかり年を取っており、私が「おっちゃん」になったと同様、きっちり「おばちゃん」になっていました。そして最初の曲が終わって、挨拶混じりのトークになると、「先月57歳になりました。よくぞここまで生き抜いた! 皆さんと乾杯です! その思いで今日はこの曲を一曲目に持ってきました!」などと話し始めました。周りを見ると目頭を押さえている中年の女性がおり、鼻をすするような音が聞こえました。皆同じように感じて生きているんだなと思いました。心が動きました。
彼女は、提供曲で少しブレイクしたことはありましたが、それでも広く一般に名を知られるほどでもなく、その意味では地味なアーティスト人生を歩んできた人でした。しかし、彼女は今でも毎年いくつかの決まった都市で何本かのライブを続けており、そこには熱心なファンが全国から集まって、チケットをソールドアウトにしているようでした。それは、とても見事な達成であり、素直に羨ましい人生だと思いました。それは「音楽の持つ力」をとても強く感じさせられる場面でもありました。見ず知らずの人の心を動かし、涙させることができる、時に時空を超えてそれができるなんて、本当に奇跡のようだと思いました。
こうした豊かな感情体験を通して、皆が前向きで寛容な精神を養うことができればと思います。自己を省みることなく、いたずらに他者に批判的になったり、攻撃的になったりするのではなく。
結局、前回と同じような話になってしまいましたね。